寒いので・・・

 

天にます
月読壮士
まひはせむ
今宵の長さ
五百夜継ぎこそ

湯原王

 

あめにます
つくよみをとこ
まひはせむ
こよひのながさ
いほよつぎこそ

ゆはらのわうきみ

 

天にいらっしゃる月読壮士に
お礼としての贈り物をいたしましょう
今夜のような美しい貴方様を
いついつまでもひき継いで眺めていたいものです

 

 

十二月ですから、
大雪(たいせつ)に入りましたから、
寒いです。

寒い寒い、どんどん寒くなる・・・

今年は暖冬傾向だとか
どなたかおっしゃっていませんでしたか?

確かに、去年よりは暖かいような気はしますが。

ですが、寒いものは寒いですね。

 

そんなわけで、上の歌です。

 

この歌は何が良いと言って
作者のお名前(?)が良いと思います。

湯原王(ゆはらのおおきみ)なんて、
温泉か何かを思わせて名前が暖かい・・・

 

この方は志貴皇子(しきのみこ)の子、
天智天皇の孫にあたります。

何でも兄弟の白壁王が光仁天皇(こうにんてんのう)に即位した際、
その兄弟姉妹が親王や内親王となったので、
湯原王も湯原親王となったそうです。

万葉の歌人でもあり、大伴家持にも影響を与えたそうです。

ただ、残念ながらその人生はよくわからず、
生没年すら不詳で、
古い歌だけが今に伝わっています。

 

兄弟でも白壁王のほうは天皇に即位したほどなので、
御誕生の年と崩御の年などは伝わっているのですが・・・。

 

上の歌で詠まれた月は、おそらく満月か、
それに近い月齢ではないかという気がしますが、
今の時期では満月には早くて時期外れですね。

冬の月を詠んでいるかどうかもわからず、
もしも秋のお月見の時期の歌だったりすれば、
完全に季節外れでもあります。

 

だけどだけど、
湯原王、温泉王みたいな名前・・・
温泉で月を眺める・・・
みたいなイメージが勝手に頭に浮かんで、
あったかそうでいいじゃないか・・・
などと思ってしまいました。

 

お月様のことを月読壮士だとか月人壮士と書いて、
「つくよみおとこ」とか「つくひとおとこ」と
読むそうです。

この言い方には、
もちろん古代の神話なんかも関係あるのでしょう。

昔の皇族貴族の感覚ですから、
天上にいらっしゃる古い古い大御先祖様のことも
イメージされていた言葉かもしれません。

 

でもこの言い方はおもしろいですよね。

 

ただ現代のドがいくつもいくつもつく庶民の乏しい感性では、
月にいる宇宙人に贈り物をしたとしたら・・・
なんか楽しいなあ・・・
なんて子供じみた考えがいろいろわいてきました。

 

月読壮士って天上の月にいるのは・・・
男性だけ・・・?

そんなわけないだろうなやっぱり・・・

贈り物・・・
月だからやっぱりお団子とかのお供えとかするのかなあ・・・

宇宙人はお団子喜ぶかな・・・

 

それにしても古代のお団子ってどんな感じ?

 

きっと健康的なお味でしょう。

 

お団子はいつだって美味しい・・・。

 

などとくだらないことばっかり書いています。

 

ただ少しだけひきしまった(?)ことも書くと、
白壁王は志貴親王の第六王子、
そして天智天皇の孫でもあり、
なのでこの代で皇統が天武天皇から
天智天皇のほうの系統に移った、
とも表現されたりします。

正直、移ったっていっても兄弟親戚での話じゃないか、
と無知な人間の私などは思ってしまいますが、
専門の方々の間ではたぶん重要なことなのでしょう。

 

で、この光仁天皇の次の代が桓武天皇です。
桓武天皇が平安京を開いたのだから、
その前の光仁天皇は事実上奈良時代の最後の天皇、
と言っても完全に間違いというわけでもないと思います。

桓武帝の平城京での時代も、
古代としては決して短くはないのでしょうが。

光仁天皇はそんな時代の変わり目の天皇だけに
いろいろあります。
当然ですよね。

まあ、特に時代の変わり目でなくても、
何かがあるのが権力者とその周りの人たち、
ということなんでしょうけれど。

 

そんなこんなで少しばかり長くなりそうなので、
何となく次に続きます。

 

宇宙人
地球人を
見おろしてる
だろうな・・・

 

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