五月雨に
物思ひをれば
敦公
夜深く鳴きて
いづち行くらむ
紀友則
さみだれに
ものおもひをれば
ほととぎす
よふかくなきて
いづちゆくらむ
きのとものり
五月雨の頃に物思いをしていたら
ほととぎすが夜の深い時分になるというのに鳴いている
いったいどこへ行くのか
今日は5月最後の日、明日にはもう6月です。
今年もあとひと月で半分が過ぎて行こうとしています。
そして6月といったら、
和歌的には五月雨のシーズンなんですね。
今のカレンダーで考えると少しややこしくなったりしますが、
旧暦の5月から6月にかけてくらいが梅雨ですよね。
五月雨っておおむね梅雨の雨のことだったんだ・・・。
長い間、何となく単なる5月に降る雨のことだと思ってしました・・・。
あはは・・・。愚かですね。
ちなみに今年の6月1日は旧暦ではまだ4月18日です。
旧暦の5月1日というと、今年のカレンダーでは6月14日、
実際にあちらこちらで梅雨入りしそうですね。
旧暦から新しい暦になってだいぶたちますが、
季節感を考えると旧暦も悪くありませんよね。
古い時代には、大陸から複数の暦が渡ってきていたので
地域によって使う暦も違っていたなんて話もあるようです。
考えてみれば、北から南まで同じ暦より、
この地域では春だけれどこっちではまだ冬です、
みたいな感じのほうが実際的な感じもします。
新暦は学校やビジネス向きの暦、
旧暦は地域や農業漁業その他もろもろの暦、
こんな風に考えてもっと活かしても良いのではなんて思います。
カレンダーを作る人にも都合が良いかもしれない・・・。
とぼけた考えかもしれませんが、
人間あんまり「暦はひとつだけだ!カレンダーの種類はひとつ!」
などと堅く思い込まなくてもいいんじゃないかなあ・・・。
そのほうが何となくですが少しは良いことあるような気がします。
それはともかく、今さらですが6月です。
6月といえば雨です。
湿度が高くなってジメジメしてきて、カビとかが生えやすくなり・・・、
うーん、爽やかというわけにはいかないな・・・。
古代の人はその時期その時期に応じていろいろな理屈でもって
物忌みだの何だのやっていたそうですね。
旧暦というか陰暦の5月も、そういう時期(?)だったみたいです。
理屈のほうはともかく、籠る月(?)というのはよくわかる感じがします。
当たり前ですが昔だって室内のほうが過ごしやすいはずですね。
雨の時期には。
それでもって、いろいろいろいろ考えて思う思う・・・
和歌を詠むにはなんだかうってつけのシーズン、
ただこの時期だいたいホトトギス・・・。
ホトトギス以外では恋の歌に集中か、
それとも七夕までエネルギ-を蓄えていたのでしょうか。