八月がはじまった・・・

縒られつる
野も狭の草の
かげろひて
涼しく曇る
夕立の空

西行

 

よられつる
のもせのくさの
かげろひて
すずしくくもる
ゆふだちのそら

さいぎゃう

 

縒れるように もつれてからまりあった 野原一面の草が陰り
(見上げてみれば)涼しく曇っている 夕立の空だ

 

 

八月ですね。

もう八月です。

一年の半分以上が過ぎてしまいました・・・。

 

心の慰めにもなりそうにありませんが、
今は旧暦ではまだ六月の終わりにさしかかる頃です。

 

そして昔の暦の感覚では、
夏の終わりでもあるのですね。

 

実際、立秋も近づいています。

むしろ最も暑い時期が秋のはじまりなんですね。

秋が生まれるとき、
とでも言ったら昔の人の感覚に近いのでしょうか。

そんなふうに考えてみたら、
確かに暑いのは暑いけれども日差しの感じ、
風の感じが前の月とは違うかな・・・
これって単に気のせいなのかなあ・・・。

 

雨の日の後だからか・・・。

 

でもまあ、
何となく気持ちだけでも古代の人っぽくなって、
今は秋のはじめなのだ、
だからもうすぐ涼しくなるんだ、
なんて思っていたほうが、
少しは過ごしやすくなるような気もします。

 

暑さ寒さも彼岸まで、とも言いますよね。
お彼岸まではまだけっこうありますが。

お盆が過ぎれば後はもうすぐ残暑の季節、
とでも思っていたらいいのかもしれませんね。

その残暑がいつまで続くのかというのも問題ですけど。

ですがいつかは必ず涼しくなるはずです。

 

人間なんて勝手なもので、
涼しくなったらなったで
今度は暑さが恋しくなったりもします。

 

そんなことを繰り返しているうちに、
一年が過ぎてしまったりする・・・

ああ・・・。

 

立秋がもうすぐとはいえ、
本当に秋らしくなるのはまだ先のことですね。

 

夏の暑い時期には、
夕立でも降ってくれればいいのになどと思います。

 

現在では夕立らしい夕立ってあんまりないような気もします。

 

そういえば知らなかったのですが、
夕立というのは古代には
夕方に吹く強い風のことを言っていたらしいですね。

夕方に強い風が吹いて、
その後で雨が降ることが多かったために、
いつしか夕方に降るにわか雨のことを言い表すようになったようです。

 

なんだか面白いと思います。

当然なのですが、言葉にも歴史があるんですね。

 

夕方、空が曇って風が吹き、
ざあざあと強い雨が降ってきたかと思ったら
にわか雨なので案外すぐにやんで、
ああ、だいぶ涼しくなったなあ・・・。

こんな感じの夕立が、
いかにも夕立らしいと思えます。

 

考えてみよう。

人生の中でそんな夕立に出会ったことはあっただろうか。

あれ、なかったような気がするぞ・・・。

忘れてしまっただけなのか・・・。

それもあり得る・・・。

それともあれです、
気候変動とやらが原因でしょうか。

 

それから八月といえば、
いろいろな感慨を覚える日本の方々が多くなる季節でもあります。

暗い気分になってしまったりもするのですが、
太陽が輝いていてくれるのが救いといえば救いなのでしょうか。

そういう意味でも暑いのが悪いとばかりは言えませんね・・・。

お日様は微笑んでくれているのかな・・・?。

 

何だか思いつきばっかり書いて参りましたが、
今年の八月、
少しでも明るい月になれば良いですよね。

 

雨降って地固まる
と昔から言われているくらいなのだから
せめてせめて
その通りになってほしいな・・・
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