詞書 藤原三善が六十賀によみける この歌は ある人 在原時春かともいふ 鶴亀も 千歳ののちは 知らなくに あかぬ心に まかせはててむ 伝 在原滋春 (在原時春 作 との説もあり) …
2018年
42件の投稿
昨日こそ 早苗とりしか いつのまに 稲葉そよぎて 秋風の吹く 詠み人知らず きのふこそ さなへとりしか いつのまに いなばそよぎて あきかぜのふく よみびとしらず ほんの少し前 昨日あたりに苗 …
天の川 霧立ちわたり 彦星の 楫の音聞こゆ 夜の更けゆけば 詠み人知らず あまのがは きりたちわたり ひこぼしの かぢのおときこゆ よるのふけゆけば (または よのふけゆけば) よみびとしらず …
夏はつる 扇と秋の 白露と いづれかまづは 置かむとすらむ 壬生忠岑 なつはつる あふぎと あきのしらつゆと いづれかまづは おかむとすらむ みぶのただみね 夏が終わり 扇が捨て置かれるのと …
世間を 何に譬へむ 朝開き 漕ぎ去にし船の 跡なきがごと 沙弥満誓 よのなかを なににたとへむ あさびらき こぎいにしふねの あとなきがごと しゃみまんせい または しゃみまんぜい または さ …
忘らむと 野行き山行き 我れ来れど 我が父母は 忘れせぬかも 商長首麿 わすらむと のゆきやまゆき われくれど わがちちははは わすれせぬかも あきのをさのおびとまろ 忘れてしまおうと 野を行 …
石山にて 暁 ひぐらしのなくをききて 葉を茂み 外山の影や まがふらむ 明くるも知らぬ ひぐらしの声 藤原実方 いしやまにて あかつき ひぐらしのなくをききて はを …
縒られつる 野も狭の草の かげろひて 涼しく曇る 夕立の空 西行 よられつる のもせのくさの かげろひて すずしくくもる ゆふだちのそら さいぎゃう 縒れるように もつれてからまりあった 野原 …
久方の 雨には着ぬを あやしくも 我が衣手は 干るときなきか 詠み人知らず ひさかたの あめにはきぬを あやしくも わがころもでは ふるときなきか よみびとしらず 雨に濡れたというわけでもない …
水風晩涼といへることをよめる 風吹けば 蓮の浮き葉に 玉こえて 涼しくなりぬ ひぐらしの声 源俊頼 かぜふけば はすのうきはに たまこえて すずしくなりぬ ひぐらしのこゑ みなも …