五月雨に 物思ひをれば 敦公 夜深く鳴きて いづち行くらむ 紀友則 さみだれに ものおもひをれば ほととぎす よふかくなきて いづちゆくらむ きのとものり 五月雨の頃に物思いをしていたら ほと …
2018年5月
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ぬば玉の 夜霧の立ちて おほほしく 照れる月夜の 見れば悲しさ 大伴坂上郎女 ぬばたまの よぎりのたちて おほほしく てれるつくよの みればかなしさ おほとものさかのうえのいらつめ 夜を暗くす …
木のくれの 夕闇なるに 霍公鳥 いづくを家と 鳴き渡るらむ 詠み人知らず このくれの ゆふやみなるに ほととぎす いづくをいへと なきわたるらむ よみびとしらず 木の下が暗い夕闇どきになる頃 …
ほととぎす 此よ鳴き渡れ 燈火を 月夜になぞへ その影も見む 大伴家持 ほととぎす こよなきわたれ ともしびを つくよになぞへ そのかげもみむ おほとものやかもち ほととぎす ここだ ここで鳴 …
旅人は 袂すずしく なりにけり 関吹き越ゆる 須磨の浦風 伝 在原行平 たびびとは たもとすずしく なりにけり せきふきこゆる すまのうらかぜ でん ありはらのゆきひら 旅人には袂が涼しく感じ …
今更に なに生ひづらむ 竹の子の 憂き節しげき 世とは知らずや 凡河内躬恒 いまさらに なにおひづらむ たけのこの うきふししげき よとはしらずや おほしかふちのみつね 今さらながら 不憫なこ …
花散りし 庭の木の葉も 茂りあひて 天照月の影ぞまれなる 曾禰好忠 はなちりし にはのこのはも しげりあひて あまてるつきの かげぞまれなる そねのよしただ 花がすっかり散ってしまった庭の樹々 …
朝霧の 八重山越ゑて 霍公鳥 卯の花辺から 鳴きて越ゑ来ぬ 詠み人知らず あさぎりの やへやまこゑて ほととぎす うのはなべから なきてこゑきぬ よみびとしらず 連なり合った幾重もの山々を越え …
をしめども とまらぬ春も あるものを 言はぬにきたる 夏衣かな 素性法師 をしめども とまらぬはるも あるものを いはぬにきたる なつごろもかな そせいはふし 惜しんだとしても行ってしまう春もあるというのに 頼みもしない …