久方の 雨には着ぬを あやしくも 我が衣手は 干るときなきか 詠み人知らず ひさかたの あめにはきぬを あやしくも わがころもでは ふるときなきか よみびとしらず 雨に濡れたというわけでもない …
カテゴリー「 和歌 」の記事
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水風晩涼といへることをよめる 風吹けば 蓮の浮き葉に 玉こえて 涼しくなりぬ ひぐらしの声 源俊頼 かぜふけば はすのうきはに たまこえて すずしくなりぬ ひぐらしのこゑ みなも …
曇りなき 青海の原を 飛ぶ鳥の かげさへしるく てれる夏かな 曾禰好忠 くもりなき あをみのはらを とぶとりの かげさへしるく てれるなつかな そねのよしただ 曇りのない青い海原の上を飛んで行 …
天平十年七月七日夜 独り天漢を仰ぎて聊か懐いを述ぶる歌 織姫し 船乗りすらし 真澄鏡 清き月夜に 雲立ち渡る 大伴家持 天平十年七月七日夜 ひとり あまのがはを あ …
短夜の 更け行くままに 高砂の 峰の松風 吹くかとぞ聞く 藤原兼輔 みじかよの ふけゆくままに たかさごの みねのまつかぜ ふくかとぞきく ふぢはらのかねすけ 夏の短い夜が更け行くにつれ まる …
晴るる夜の 星か川辺の 蛍かも 我が住むかたに 海人の焚く火か 在原業平 はるるよの ほしかかはべの ほたるかも わがすむかたに あまのたくひか ありはらのなりひら 晴れた夜の星だろうか 川辺 …
もののふの 八十宇治川の 網代木に いさよふなみの 行方知らずも 柿本人麻呂 もののふの やそうぢがはの あじろぎに いさよふなみの ゆくへしらずも かきのもとのひとまろ 宇治川の網代木で川の …
思ふこと みなつきねとて 麻の葉を きりにきりても 祓へつるかな 和泉式部 おもふこと みなつきねとて あさのはを きりにきりても はらへつるかな いづみしきぶ 思い悩むこと すべて尽きろ な …
あぢさゐの 八重咲くごとく やつ代にを いませ我が背子 見つつ思ばむ 橘諸兄 あぢさゐの やへさくごとく やつよにを いませわがせこ みつつしのばむ たちばなのもろえ 紫陽花が八重に咲くように …
ことならば 思はずとやは 言ひはてぬ なぞ世の中の 玉襷なる 詠み人知らず ことならば おもはずとやは いひはてぬ なぞよのなかの たまだずきなる よみびとしらず 同じことなら 思ってはいない …